2017年から仮想通貨売買をしていた僕が、メルカリでのビットコイン取引について解説します。
メルカリでビットコインを買うための手順については、この記事で解説したので、まずはこちらの記事を見てもらうとよさげ。
メルカリのビットコイン取引って、他の仮想通貨取引サービスと比べてどうなのよ?!っていうのは気になるところ。
メルカリでの売買でどんな手数料を取られるの?そもそもどんな取引が出来るの?などなど。
そして一体メルカリでビットコインを買うべきなのか?という疑問にもお答えします。
メルカリビットコインで出来ること、出来ないことは?
メルカリビットコインで出来ること
- ビットコインの売買
売買はメルカリ側が設定した購入価格・売却価格に従って行われる。
いわゆる「販売所」での売買のみとなる。
そのため、ビットコインのレートが確認できるサイト等での価格とは、異なる価格での売買となる。(詳細後述)
メルカリビットコインで出来ないこと
- ユーザー間での売買
株取引で言う「板取引」のように、ユーザー間で互いに価格交渉(成行・指値)をしての売買には対応していない。
いわゆる「取引所」での売買には未対応だ。
「出来ること」で記載したように、メルカリが提示する金額での購入/売却のみが可能だ。
- ビットコインの入出庫
メルカリ上で購入したビットコインをメルカリ外のウォレットに移すことは出来ない。
また、その逆でメルカリ外で購入したビットコインをメルカリ内に移すことは出来ない。
なので一切のビットコインの移動はできず、メルカリ内だけでの運用に制限されてしまう。
そもそも仮想通貨では一般的な「ウォレット」という概念をあまり意識することはない。
- ビットコイン以外の仮想通貨の売買
2023年4月現在は取り扱い通貨はビットコイン(BTC)のみのため、それ以外の仮想通貨取引はできない。
- メルカリ内での他仮想通貨への交換
これも同じ理由で、取扱通貨はビットコイン(BTC)だけのため不可だ。
売買にかかる手数料は?
仮想通貨も株式同様、売買において都度手数料が発生する場合がある。
株取引でも約定手数料などがかかったりするが、仮想通貨サービスの運営で一番わかり易い収益源はこれらの手数料なので、当然すべてが無料で使えるというわけにはいかないもの。
ではメルカリでのビットコインにかかる手数料にはどんなものがあるのでしょう。
ビットコインの売買自体にかかる売買手数料は無料、ビットコイン売買に使う資金を出し入れする際の入出金手数料も無料。
ん、全部無料じゃん。
と言いたいところなのですが、売買する際の価格に実質的な手数料が1%分乗せられている。
これをスプレッドと呼ぶ。
例えば、ビットコインの市場価格100万円であれば、メルカリでの購入時に101万円、売却時には99万円、と本来の価格とは差額が発生し、その差分がメルカリの取る手数料という形になっている。良い商売だ。
前回の記事で500円分のビットコインを購入した直後に、残高が¥494になっていたのは、スプレッドを考慮した価格で購入されたから。なるほど謎が解けましたね。

だから、メルカリでビットコインを購入したあとすぐに売却したとする、その場合2%の損をすることになる。
はじめて含み益が出るのは、ビットコインの価格そのものが2%上昇してからということ。
テンションがあがって売り買いを繰り返すと、いつのまにかスッカラカンということになる。(そんなやつはいない。)
ちなみにスプレッド1%(購入と売却で2%)というのは、他の仮想通貨サービスに比べると小さいほうではある。
他大手ではスプレット3%(購入と売却で6%)なども普通にあるので、スプレッド料率だけみるとメルカリはわりと良心的といえる。
ただしこれはあくまで仮想通貨サービスが提供する「販売所」で売買をする場合。
現状メルカリには存在しないが、他仮想通貨サービスのなかには「取引所」機能があるものも多く、ユーザ間で売買をする場合は手数料はぐっと抑えられるのが通常。
ということでメルカリでビットコインを売買するあたり必要な手数料は以下の通りだ
- 売買手数料 … 無料
- 入出金手数料 … 無料
- スプレッド … 片側1%、両側2%
- 購入と売買はセットで行なうと損益が確定するので、その場合を”両側”と呼ぶ
ビットコインの値上がりで気をつけるべきことは?
よし、じゃあビットコインが値上がりした分は、全部利益だ!やったー!となるのは、あまりにも早計だ。
株取引も似ているが、やはり利益が出た場合は所得として申告する必要があり、それ相応の税金がかかることになる。
仮想通貨を売却して利益を確定させるとその利益は雑所得扱いとなり、課税の対象となる。つまり確定申告の際に自分で取引履歴を確認した上で、その所得を申告する必要が出てくるということ。
株の場合は、証券会社側で源泉徴収してくれたりと手厚いサポートがあるが、仮想通貨はまだまだ未整備なことが多い。基本的には自己責任でしっかり申告を行おう。
数年前、仮想通貨の急騰で億り人が大量に生まれたが、彼らの中には税務に無知で申告をしておらず、後々で物凄い金額の追徴課税がきた…なんていう「本当にあった怖い話よりも怖い話」も聞いたことがあるので、
ビットコインを買う際にはしっかり出口のことまで考えて取り組むほうがよいでしょう。
メルカリでのビットコイン売買はするべきか?
結論からいうと「仮想通貨経験はない、でも興味がある。」という人はメルカリでビットコイン売買を始めてみてもいいのではと思う。
自分のお金でビットコインに少しでも投資することで、仮想通貨の値動きや業界動向などにアンテナを張るようになって、それが更に仮想通貨に深く足を踏み入れるキッカケになる。
なにはともあれ、まずは仮想通貨取引を始めることが重要だ。
きっと詳しくなってくるにつれ、メルカリ以外でビットコイン、更に言えば他の仮想通貨の売買をしてみたくなったり、そもそもスプレッド両側2%も取られるなんて耐えられん!みたいに、いろんな角度から仮想通貨取引が見えてきて、他の取引所を試すなんていう行動につながっていくだろう。
もしくは、そのようなユーザが仮想通貨に詳しくなっていく時間軸に合わせるように、メルカリでの仮想通貨取引の機能がどんどんパワーアップして、「機能モリモリ、足りてない機能なんてない」という状況までなるかもしれない。メルカリとユーザが一緒に成長するということだ。
すでに仮想通貨に精通している人にとっては、現在のメルカリの「ビットコイン売買機能だけ」という状況は満足行くものではないだろう。
そういう人は無理にメルカリで仮想通貨だ!と意気込む必要もないし、今後数ある選択肢の1つとして位置づけておくだけでいい。
僕もこの記事の執筆を決めなければ、メルカリでビットコイン取引は正直始めていなかったと思う。
しかしメルカリの功績は大きいとも考えていて、おそらくリテラシー面で仮想通貨取引とは対局にいるであろうメルカリユーザーたちに対して、仮想通貨を簡単に試せるようにしたことは、確実に仮想通貨の裾野を広げる機能アップデートであったと思う。
ここから更に進化していくであろうメルカリの仮想通貨事業が楽しみだ。